□ぱちんこジャーナリスト、LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田
依存対策のための改正規則が今年2月1日から施行された。各公安委員会の検定を受けるための要件となっているのは保安通信協会の型式試験の適合だが、改正規則施行後は規制の内容がさらに射幸性を抑制するものに変わった。
ぱちんこ遊技機は2月1日から既に型式試験が始まっている。早ければ初夏にもリリースされるだろう。一方の回胴式遊技機は、業界側の自主規制制定が1月31日と遅れたために6.0号機と呼ばれる新しい自主規制対応機は4月3日以降に型式試験となる。このため、早ければ夏から秋にかけてのリリースとなる。実はこの6.0号機の型式試験申請予約件数が好調だ。これはぱちんこ業界としてはかなり異例の状況である。
射幸性抑制レベルが厳しくなる規則改正の場合、経過措置にて従前規則の遊技機を製造販売することにしばらく傾注するのが遊技機メーカーの本質である。ところが6.0号機は違う。射幸性抑制レベルは従前規則よりもかなり強くなったのに、経過措置型式よりも6.0号機の開発企画意欲が高いのだ。
これは、射幸性の抑制とともに実施した他の自主規制(=それらは主に開発企画の自由度を高めるものである)が奏功していると考えられる。経過措置型式は5.9号機と呼ばれており現在もリリースされているのだが、多くのメーカーは5.9号機も販売しながら6.0号機の開発企画にかなり熱心に取り組んでいるのだ。
2004年7月1日の改正規則施行時は、従来型のメーカー対応だった。すなわち、改正規則機の型式試験申請が極端に少なく、経過措置型式をしばらく製造販売することに傾注した。しかし今回は、むしろ6.0号機の開発企画に傾注しているメーカーが多い。依存対策は今や政府の重要課題であり、警察庁(国家公安委員会)もそのために規則改正を実施した。その内容は射幸性を抑制するものであり、抑制された6.0号機は、メーカー側のやる気がとても高くなっているということである。
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【プロフィル】POKKA吉田
ぽっか・よしだ 本名は岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月から本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。