トヨタ、カーシェア参入で布石 国内市場に危機感、直営統合でビジネスモデルの転換見据える (2/2ページ)

トヨタ自動車の系列販売店の看板
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  • 新機軸を色々と模索するトヨタの「GRスープラ・レーシング・コンセプト」、新型スープラは先にレーシングマシンが姿を現した。

 トヨタ幹部は「東京でチャレンジし、気づいたことは、全国の販売店に伝えたい」と、この動きを広げたい思いをにじませた。だが、地方では独立した地場の販売会社が販売店を運営していることから、東京のように路線転換が進むかは不透明だ。

 抜本変革も視野

 販社統合は将来、抜本的に自動車メーカーのビジネスが変わることも視野に入れた動きだ。公共交通機関が発達し、車の保有に対する意識が薄い東京を起点に、「新たなモビリティサービスを仕掛ける」(トヨタ幹部)ために、販売会社が分かれていては不都合だからだ。

 詳細は今後詰めるが、レンタカーより気軽に使える短時間のレンタルや、定額料金でさまざまな車を乗り換えるなどのサービスを販売店を通して始めることを検討しているようだ。同社はすでに、スマートフォンでドアロックを解除したりエンジンをかけることができる「スマートキーボックス」を開発。行政当局から、こうした技術が活用できる認可を得るなど環境が整い次第、始める方針だ。

 自動車メーカーによるカーシェアに関しては、米ゼネラル・モーターズ(GM)などの海外勢が先行している。将来的には自動運転技術の導入で車を活用したサービスの市場が急拡大する可能性もあり、トヨタは早期にノウハウを蓄積したい考えだ。(高橋寛次)