JDI、550億円の資金調達 増資や能美工場売却、財務改善や液晶パネルの増産投資に (1/2ページ)


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 経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は30日、第三者割当増資などで約550億円の資金を調達すると発表した。海外ファンドと発光ダイオード(LED)大手の日亜化学工業(徳島県阿南市)に新株を割り当てるほか、昨年12月に稼働を停止した能美工場(石川県能美市)を売却し、財務の改善や液晶パネルの増産投資に充てる。

 JDIは増資で、30の海外ファンドから300億円、日亜化学から約50億円を調達する。増資後に産業革新機構の議決権比率は35.58%から26.82%に下がるが、筆頭株主であることは変わらない。能美工場は革新機構に約200億円で売却する。

 一方、JDIは有機EL開発のJOLEDの議決権比率を現在の15%から51%に引き上げる計画を撤回する。JOLEDの中型の有機ELパネルの量産に向けた資金をJDIが捻出する予定だったが、財務悪化で難しくなったため。JOLEDはデンソーなどを引受先とする1000億円程度の増資を行う予定だ。

 JDIの2018年3月期の最終損益は4期連続の赤字に陥る見通し。財務の立て直しに向け、海外の事業会社と資本提携を模索してきたが、交渉が難航して期限としてきた3月末に間に合わなくなった。

スマホ向けの有機ELパネルが伸び悩み