メーカー

三菱ケミカル子会社、細胞加工施設を20億円で新設 再生医療事業強化

 三菱ケミカルホールディングスの全額出資子会社で、主にヘルスケア関連事業を手がける生命科学インスティテュート(東京都千代田区)は20日、川崎市に細胞加工施設を新設する、と発表した。投資額は約20億円で、5月に着工し、2019年1月に稼働させる。再生医療事業の強化が狙い。

 新施設の延べ床面積は1267.5平方メートルで、川崎区のライフイノベーションセンター内に設ける。生命科学インスティテュートは今年1月、ミューズ細胞を使った世界初となる急性心筋梗塞の臨床試験を岐阜大医学部付属病院(岐阜市)などで始め、21年度の承認取得を目指している。新施設で加工した細胞は、臨床試験だけでなく、承認取得後の商用生産にも活用する。

 ミューズ細胞は生体内に存在する幹細胞の一つで、急性心筋梗塞や脳梗塞、腎不全などさまざまな難治性疾患に有効性を示す可能性があるとして注目されている。急性心筋梗塞の場合、この細胞を点滴すると、心筋の傷ついた細胞のそばに集まって再生するという。手術が不要で設備の整っていない地方の病院でも扱いやすいため、同社では有力な治療法に育つと期待している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus