国産初のジェット旅客機として注目を浴びる三菱航空機のMRJ(三菱リージョナルジェット)をテーマとする三菱重工業の「MRJミュージアム」を訪ねた。場所は愛知県豊山町のMRJ最終組立工場。実機の製造作業などを見る90分のアテンドツアーに参加してみた。
展示室に入ると、目に飛び込んでくるのが、実物大の機首の模型。各部に日本の伝統美が取り入れられていることが丁寧に説明される。胴体から機首へ流れていく繊細で美しいフォルムは日本刀、イメージカラーの赤・黒・金は漆塗りの代表色、操縦室の窓の縁取りのモチーフは歌舞伎の隈取り。こうした説明が私の日本人のDNAを刺激し、「日本の旅客機が空を飛ぶのだ」という誇りと期待がわき上がってきた。
実際に検証作業に使われた主翼の試作品や、設計の初期段階で作成された木製のエンジン模型もあり、開発の歴史や、その重みを伝える。
そして、ドーム球場並みの広さの最終組立工場エリアへ。ガラス越しに実機の組み立てと艤装(ぎそう)を見る。実機の組み立てを見られるのはアジアではここだけだという。ミュージアムを出ても胸の高鳴りを抑えきれない最高の「大人の社会科見学」だった。
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【luxe(リュクス)】 フランス語で元の意味は「贅沢」。最近は優雅で上品でありながら、洗練された贅沢なもの・ことなどの意味で使われる。
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【プロフィル】鈴木亜紀子
すずき・あきこ 元NHK(釧路、福島)キャスター・リポーター。最近愛知県に転居、現在県内でフリーアナウンサーとして活動中。
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