日本鉄鋼連盟や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は23日、製鉄で生じる二酸化炭素(CO2)排出量の3割削減を目指す技術開発プロジェクトで、試験高炉を使った検証を終えたと発表した。鉄鉱石から酸素を取り除く還元剤に水素を使う「水素還元法」と、副生物の高炉ガスからCO2を分離・回収する技術を組み合わせて大幅削減を実現するもので、試験高炉での検証完了により、目標とする2030年ごろの実用化に近づいた。鉄鋼は電力と運輸を除いた国内の産業部門で最もCO2排出量が多く、実用化されれば環境負荷低減に大きく貢献しそうだ。
鉄連やNEDOは「COURSE(コース)50」の名称でプロジェクトを08年から実施、ほかに新日鉄住金やJFEスチール、神戸製鋼所など5社が参加している。