DAZN参入で「解約者続出」のスカパー、どう生き残る? 頼みの綱は… (1/4ページ)

 「当社のプロ野球中継が極めて限定的であるかのような誤解が一部で生じている」「2018年シーズンも例年通り、巨人主催試合を含む全12球団をお届けする予定だ」--。衛星放送「スカパー!」を運営するスカパーJSATから2月20日、報道機関に向けてこんな文書が送られてきた。

 文書送付のわけは

 同社に真意を聞いたところ、「とある新聞社が、競合サービス『DAZN』と当社のプロ野球中継を比較し、スカパーの配信対象が一部の試合にとどまっているとの記事を掲載していたため、誤解を解きたかった」(プロモーション部、以下同)と説明する。

 「現在は各チームと交渉段階で正式発表はまだだが、スカパーでは12球団の全試合を放送する方針だ。プロ野球開幕前のこの時期は、契約者獲得に向けた商機。“当社がDAZNに負けた”といったマイナスの情報が広がることを避けたかった」という。

 “DAZNマネー”に屈し、Jリーグ放映権を喪失

 「DAZN」は英Perform Groupのスポーツ中継サービス。スカパーは16年末、07年から10年間にわたって放送してきた主力コンテンツ「Jリーグ」の放映権をDAZNに奪われる形になった。

 DAZNの契約内容は、10年間で2100億円という巨額。当初は中継品質に苦情が相次いだこともあったが、16年8月の参入からわずか1年で、国内の契約数が100万件を超えるサービスに成長した。

外資マネーに破れたスカパーは…