買い物の際、スマートフォンにバーコードや「QRコード」を示す新しい決済サービスが広がり始めた。先行するLINE(ライン)は利用可能な店を拡大し、スマホ決済の旧サービスを開発したNTTドコモも追随。現金利用率が高い日本で「脱現金払い」がどこまで普及するかが焦点だ。
決済サービス「LINEペイ」は、通信アプリのLINEに銀行口座などを登録しておく。買い物の時には、アプリを起動してバーコードやQRコードを表示し、店側の端末に読み込んでもらうと支払いが済む。利用者にとって現金を出す手間が省ける利点がある。
LINEは2016年にバーコードによる決済サービスを始め、これまでに約3000万人が登録した。ローソンや雑貨店のロフトなど約1万7000店で利用可能だ。楽天も16年に同様のサービス「楽天ペイ」を始めている。
スマホによる決済には、店舗に備えた専用端末を使うドコモの「おサイフケータイ」が既にあるが、店舗側は端末を用意する必要があり普及を阻んでいる。新サービスはバーコードなどを読み込む機器のシステム変更だけで済むため、低コストで導入が可能だという。
おサイフケータイの普及を進めていたドコモは今月17日、LINEや楽天を追う形で新サービス「d払い」の4月開始を発表した。ローソンなど提携先10社の計約1万9000店舗での扱いを予定。早期に10万店舗以上に拡大したい考えだ。クレジットカード大手クレディセゾンも25日、ベンチャー企業Origami(オリガミ、東京)と組み、新スマホ決済を始めると発表。カード利用者向けアプリにオリガミの決済サービスを導入。オリガミが提携する約2万の加盟店で決済が可能になるという。競争が本格化しそうだ。