□みらいワークス・岡本祥治社長
フリーランスで活躍するプロフェッショナル人材と企業のビジネスマッチングを手掛ける「みらいワークス」は、独立・起業に挑戦する人を支援している。国内に転職を仲介する人材会社は多く存在するが、競合の少ないフリーのプロ人材へのサポートによって、雇用に縛られない多様な働き方を日本に根付かせることを目標としている。昨年12月19日には知名度を上げるため、東証マザーズ市場に新規上場した。岡本祥治社長は「プロ人材のプラットフォームとなり、日本の社会インフラとして成長させる」と意気込んでいる。
◆登録者6200人超
--ビジネスモデルは
「事業会社やコンサルティング、システム開発といった顧客企業から業務委託で仕事を受注し、登録しているプロ人材に対して再発注する。登録者は6200人以上で、大手総合コンサル、ソフトウエア、金融などさまざまなキャリアを重ねた人材だ。顧客企業に対しては登録者の中から業務に最適なメンバーを選定してチームを編成し、業務改革や人材開発、IT導入、マーケティングといった経営課題を解決するサービスを提供している」
--事業の特徴は
「高いスキルを持ったプロ人材を活用するので平均1人当たり月額100万~200万円でかなり単価は高いが、大手コンサルティングファームに依頼するのと比べ、3分の1ほどの低コストに抑えることもできる」
--どのような新しい働き方を示すのか
「例えば顧客企業から業務委託された人材が優秀で企業文化にも適合した場合、正社員として雇用したいというケースがあるかもしれない。もし大手コンサルに所属する人材であれば引き抜き行為になるので、やってはいけないことだ。しかしフリーなので、有料職業仲介事業の許可を得ている当社が入社を仲介できる。今後フリーとして仕事に関わり中途入社するという、これまでにない働き方を提供できるかもしれない」
◆未開拓の領域
--業績の推移は
「堅調に成長を続け、2017年9月期の売上高は前期比33%増の22億7375万円、経常利益は同2倍増の1億2524万円となった。18年9月期の売上高は同32%増の30億円、経常利益は同23%増の1億5300万円を予想している」
--今後の展望は
「プロ人材と企業を最適にマッチングする事業は競合がほとんど存在しない未開拓の領域なので、市場をしっかり確立したい。また、先端IT領域であるフィンテック、ロボティクスなどの分野に精通した人材を確保して対応する。高いスキルを持つ人材に対して転職以外の独立や起業といった選択肢を示し、新しい働き方を実現するための包括的サポートを提供し、関連したイベントも開催して『独立・起業するならみらいワークス』というブランド化を図る」
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【プロフィル】岡本祥治
おかもと・ながはる 慶大理工卒。2000年アンダーセン・コンサルティング(現・アクセンチュア)入社。07年オンサイドパートナーズ設立。12年3月みらいワークスを起業し、現職。41歳。神奈川県出身。
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【会社概要】みらいワークス
▽本社=東京都渋谷区恵比寿4-27-7
▽設立=2012年3月
▽資本金=1億9455万円
▽従業員=46人 (17年9月末時点)
▽売上高=30億円 (18年9月期予想)
▽事業内容=ビジネスマッチングサービス、転職支援