平易な英語で伝える工夫 翻訳や通訳派遣の「エイアンドピープル」

オフィスでスタッフ(手前)と話す「エイアンドピープル」の浅井満知子社長=東京都渋谷区
オフィスでスタッフ(手前)と話す「エイアンドピープル」の浅井満知子社長=東京都渋谷区【拡大】

 「エイアンドピープル」(東京都渋谷区)の浅井満知子さんは、企業の決算説明資料や事業報告書について、英語などへの翻訳、通訳派遣を手掛けている。

 運輸、建設、百貨店、メーカーなど約200社の顧客を抱える。中国語や韓国語といった言語も扱う。各企業の市場調査資料、マニュアル書、社内報なども翻訳する。

 「例えば700ページにも及ぶ工場向けのマニュアルなどは、読み手に必要なことがきちんと伝わる工夫をしなければ意味がない」と指摘する。

 そこで英語で分かりやすく簡潔に伝える「プレイン・イングリッシュ」を採用、競合他社との違いを打ち出している。一つの文章は短く15~20の単語で構成し、二重否定はせず、日常的な言葉を選ぶ。そうした上で結論を先に書く「逆ピラミッド」の文章に整える。

 「財務資料では、業績のどこがセールスポイントになるのかなど、見出しを読めばさわりが分かる工夫を凝らしている」

 2002年には合弁会社を設立して中国へ進出したが、当時は現地の翻訳者が少なくうまくいかなかった。「あの時は会社を畳もうとさえ思った」と振り返る。

 その後、日本での事業に力を注ぎ、17年度の売上高は前年度に比べて約15%増で推移している。

 現在12人のスタッフと働き、提携する翻訳・通訳者は約700人に上る。「顧客は上場企業が多く、契約などで日本企業の海外展開をサポートしたい」と話している。