物流ロボットは2機種が選定された。1機種はカナダのロボット企業が開発した箱形の「OTTO(オット)100」と「オット1500」。前後に搭載したセンサーで、自律走行する。国内販売元によれば、すでに北米の工場で導入されているという。重い荷物をオットに載せて運んでもらうという使い方が想定されている。
手持ちの小さな荷物を運ぶのがデリバリーロボット「Relay(リレイ)」だ。円筒形で内部に荷物を収容するスタイル。想定されるのは「ラウンジで休憩する客に店舗から商品を届ける」といったサービス。空港内を行き交う国内外の人たちが「ロボットにどのように反応し、行動するのか」も検証テーマだという。
AIで多言語案内
訪日外国人旅行客が観光を楽しむ中、足りないと感じる部分の一つが「コミュニケーション」だ。観光先進国を目指す政府も、18年度当初予算案で多言語翻訳ソフトを入れたタブレット端末の導入補助に予算を付けたほどで、案内板を多言語化するだけでは不足なのだという。
今回の実証実験でも「翻訳」関連で4機種が選定された。このうち「cinnamon(シナモン)」と「ロボコット」は卓上サイズ。シナモンはカメラと自走機能を備え、搭載した人工知能(AI)との会話もできるスマートロボットだ。多言語案内のほか、スマートフォンによる遠隔操作機能を使った遠隔地からのオペレーター操作実験もするという。
ロボコットは米IBMのAI「ワトソン」を採用しており、タッチパネルや音声で対話できる。実証実験では日英中韓の4カ国語での案内を通じ、対話や同時翻訳の精度を検証する。