「第4」目指す楽天 利用者「期待」、業界は懐疑的 曲折や混乱必至 (1/2ページ)

「楽天モバイル」の銀座店=14日、東京都中央区
「楽天モバイル」の銀座店=14日、東京都中央区【拡大】

 楽天が、携帯電話大手3社に次ぐ「第4の携帯電話事業者」を目指すことを表明した翌15日、大手の料金に不満を抱く携帯利用者らから競争活性化と料金値下げに期待感が広がった。野田聖子総務相も同日、大手に対し料金値下げに向け注文を付けた。ただ業界関係者には、楽天がどこまで3社に対抗できるか懐疑的な声があふれる。消費者の期待する料金値下げや新サービス導入までは曲折や混乱が必至だ。

 「都市でも過疎地でも同じサービスが受けられ、料金もお値打ちという不断の努力を続けてもらわないといけない」。野田総務相は15日の閣議後会見で、携帯大手の料金値下げに向けた今後の努力に期待を示した。

 携帯大手各社は、使ったデータ通信量に合わせて変動するプランや、データを大量に使う人向けのプランなど政府の求める料金負担の軽減に努めてきた。今月もKDDIが前回の半額程度から利用できる25歳以下向け学割キャンペーンを開始。ソフトバンクも15日にKDDIに対抗して同社と同額で年齢制限なしのキャンペーンの開始を発表するなど、大手間の値下げ競争が沈静化しているわけではない。

 ただ、こうしたキャンペーンは、対象者が制限されていることなどから携帯利用者からは「高い」との不満は絶えないようだ。楽天が自社回線で携帯電話事業を始めると、携帯大手を下回る料金を打ち出す可能性が高い。大手3社の値下げにも期待が集まる。

3社からは「焦り」よりも「困惑」の声