その戦略的な方向性は、「つながる化=C」「自動運転=A」「シェアリングエコノミー=S」「電動化=E」の頭文字を並べた「CASE」に整理され、ここ数年、自動車産業は革命前夜のような緊張感に包まれてきた。
人工知能(AI)、センサー、半導体などの要素技術の進化は加速している。自動運転技術は想定より早く確立される可能性が高い。そして米国の多くの消費者は、初期段階の自動運転に基づく新しいビジネスを受け入れる可能性がある。
米国の多くの空港では、配車やライドシェア・サービスのクルマを大勢の旅行者がイライラしながら待っている。これが本当に安全・安心な無人自動運転に置き換わるなら、革命的なシェアエコノミーを創造する契機となり、製造業からサービス業へ、GMのように業容転換を急ぐ必要があるだろう。
17年の世界の株式市場は、革命を目指す企業へ高い価値を見いだし、一方、伝統的なビジネスを守ろうとする企業の評価を切り下げてきた。GMの株価は11月30日時点で年初から23%、VWが25%、BYDは69%も上昇した。トヨタ自動車は2%にすぎない。