ドコモ、「変態端末」の精神で逆襲 ガラケー技術応用、独自スマホを続々投入 (3/3ページ)

NTTドコモが発表した2画面を備えるスマートフォン「MZ-01K」=10月18日、東京都中央区
NTTドコモが発表した2画面を備えるスマートフォン「MZ-01K」=10月18日、東京都中央区【拡大】

 ガラケー時代の教訓

 ガラケー時代にさまざまな独自端末を国内メーカーと共同開発したドコモを含む日本の携帯事業者は、海外展開に失敗した苦い過去がある。

 だからこそ、ドコモは今回、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)と組んでMを開発。その上で、積極的に海外携帯事業者へセールスするなど当初から「海外」を見据えていた。その結果、米通信大手AT&Tと英大手ボーダフォンが販売を決め、ロイヤルティー収入もドコモに入る仕組みになっている。

 ただ、世界のライバルも指をくわえているわけではない。Mは2画面をヒンジ(ちょうつがい)でつなぐ方式のため、どうしても画面と画面の間に隙間が生じる。これに対し、韓国サムスン電子は画面そのものを折り畳み、見開きで楽しめるスマホを来年にも商品化する見通しだ。耐久性など商品化のハードルは高そうだが、得意とする有機ELパネルの曲がる特性を生かし、こうした課題の克服を急ぐ。アップルも折り畳み式iPhone(アイフォーン)を検討しているとみられる。

 ドコモは今後、ガラケー時代に培った技術を生かし、国内だけでなく世界で通用する独自スマホを次々に投入する予定だ。ガラケーのリベンジを果たせるか。逆襲のドコモに注目が集まる。(大坪玲央)