9月20日、アマゾンがついに日本で法人向け購買専用サイトを開始した。米国では2015年にスタートしており、日本は4カ国目。アスクルやMonotaRO(モノタロウ)など競合する日本企業に大きな影響が見込まれる。法人向け通販業界はアマゾンに破壊されてしまうのか。『図解!業界地図2018年版』(プレジデント社)の著者が分析する--。
日本勢を圧倒するアマゾンの品ぞろえ
ネット通販世界最大手の米国アマゾン・ドット・コムが、日本での「BtoB」ビジネスを本格化させる。個人向けの「BtoC」では大きな変革をもたらしてきただけに、企業向けの「BtoB」でも同じことが起きる可能性がある。そうなればアスクルやMonotaRO(モノタロウ)などの日本企業の業績にも大きな影響を及ぼすことになる。
アマゾン・ドット・コムは1995年の創業以来、世界各地に物流センターを設置するなど規模拡大に邁進。現在、世界で運営している物流センター・カスタマーサービスセンターの広さは1億8000平方フィート(約1670万平方メートル)を超す。三井不動産、三菱地所、住友不動産の3社合計のビル貸付面積、およそ1000万平方メートルを上回る規模である。
アマゾンの16年12月期の売上高は約15兆円、総資産は9兆円を超す。キャッシュの獲得力を示す営業キャッシュフロー(CF)も2兆円に迫る。売上高と営業CFに限れば、イオンとセブン&アイ・ホールディングス(HD)の合計を上回る。