【高論卓説】欧中主導のEVシフトに“抵抗”必要 日本メーカーは「二面戦略」で挑め (1/3ページ)


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 ■内燃技術磨き再投資を

 世界的に電気自動車(EV)の普及を加速化し、内燃機関の販売禁止を早めようとする動きが顕著となっている。英国、フランスでは2040年をめどに、インドは30年までに内燃機関の販売禁止を方向性として明らかにしている。この流れを加速化させるような政策の検討が中国で開始され、インドネシアでも動きが始まった。インドネシアのエネルギー・鉱物資源省は、化石燃料を動力源とする自動車と二輪車の販売を40年までに禁止する方針だ。

 「EVシフト」を先導するのは、欧州と中国だ。ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル排ガス不正に端を発し、欧州ではディーゼル車に対する不信感が爆発、大気汚染が社会問題化して深刻な政治問題となった。パリ協定に伴う温暖化ガス削減を目指した動きも加わり、企業平均燃費規制の達成に向けて、欧州の自動車メーカーは電動化を加速化せざるを得ない状況である。

 この流れを加速化させようというのが、中国の新エネルギー車(NEV)政策だ。「自動車強国」を国家戦略として掲げ、世界のEVや、家庭で充電できるPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)のバッテリーや主要コンポーネントの供給とEV需要を世界に先駆けて先導する考えである。

簡単にEV化が実現するかは不透明