ホンダが4日、埼玉県内の2つの完成車工場のうち狭山工場(狭山市)を閉鎖し、平成33年度をめどに寄居工場(寄居町)に集約すると発表。狭山市では大きな衝撃が走った。狭山工場は約4600人の従業員が働いており、同市は年間数十億円規模の損失が出るとみられ、地元経済への影響が計り知れないためだ。
工場閉鎖の発表を受け、同市の小谷野剛市長は「操業開始以来50年余り、産業振興や市の発展の大きな礎となっていただけに大きな衝撃」とコメント。その上で「事態を深刻に受け止め、影響を最小限に抑えていかなければならない」とした。
上田清司知事も同日、コメントを発表し、「(ホンダが)世界をリードするための経営判断で寄居工場に狭山工場が集約されるのはやむを得ない」とした。ただ、「世界に通用する(電気)自動車が生産されることで、33年度以降も狭山工場の活用を期待したい」と述べた。
狭山工場で働く約4600人の従業員は寄居工場を中心に配置転換し、雇用は維持するという。ホンダは工場跡地の活用を改めて検討するとしているが、地元ではすでに部品や物流拠点になるとの声も出ている。