ドイツ・フランクフルトで開催中の欧州最大級の自動車ショーでは「空飛ぶ車」や、自動車レース最高峰のF1マシン並みの高性能車も披露され、来場者の関心を引き付けた。自動運転車に試乗できるコーナーも設けられ、会場はまるで近未来の世界のようだ。
「『未来を体験する』という自動車ショーの今年のテーマにぴったりだ」。スロバキアの新興企業エアロモービルは「空飛ぶ車」と銘打った試作車を出展した。飛行モードにすると折りたたんだ翼が広がり、3分未満で「飛行機」に一変すると説明した。
同社によると、車両の長さは6メートル弱で、約2.2メートルの幅は翼を広げると8.8メートルに広がる。飛行時は最高速度が時速360キロ、航続距離は最大750キロとしている。
2020年に売り出したいとしており、価格は120万ユーロ(約1億5800万円)。担当者は「今は走行と飛行の試験を繰り返している。予約の受け付けを始めたが、まずは500台の受注を目指す」と意気込む。空飛ぶ車をめぐっては、トヨタ自動車が資金支援を手掛けるなど、開発競争が起きている。
ドイツ自動車大手ダイムラーは、F1で培った技術を活用した「メルセデスAMG」ブランドのスーパーカーの試作車を披露。最高時速は350キロを超えるという。
ドイツ自動車部品大手のコンチネンタルは12日、ハンドルやブレーキペダルがなく、運転の必要がない都市型の完全な自動運転車の開発を進めることを発表した。(フランクフルト 共同)