コネクティッドソリューションズ(CNS)社」の樋口泰行社長=東京都内【拡大】
10年後の90年には、社費でハーバード大学経営大学院に留学。しかし、卒業して戻ってくると、あっさりと松下電器を退社し、92年ボストンコンサルティンググループに入社。「少し暴れたいという若気の至りもあり、大阪から東京に出てきた」と当時を振り返る。
その後、94年にアップルコンピューター、97年にコンパックコンピューターに移り、2003年、45歳の若さで、コンパックを買収した日本ヒューレット・パッカードの社長に就任した。2005年には産業再生機構の要請を受けて、経営再建中のダイエー社長に就任。林文子会長(現横浜市長)とともに不採算店舗の閉鎖や食品部門の改革など立て直しに尽力した。
07年になると、今度はマイクロソフトの日本法人に経営トップとしてスカウトされた。当時の同社は基本ソフトの「Windows Vista(ウィンドウズ・ビスタ)」が思うように伸びず、経営のテコ入れに迫られていた。そんな中で樋口氏は国内IT企業との関係を強化して企業向けビジネスの拡大に取り組んだ。その後、15年に会長へ就任。そして17年4月パナソニック専務役員として出戻ってきた。
「外資系でやっているとかなり疲れる部分もあり、そろそろスローライフを送りたいと思っていたタイミングに、今回の話をもらった。光栄な話であり、力になれるのであればと思ってお受けした。新卒で入社後12年間のパナソニックの経験があることと、外資系を経験して物事をシャープに考えることができるという両方があったので選ばれたのだろう」(樋口氏)