■ヒンジが折れて風圧に耐える
物販のイメージが薄い日本郵便が、全国の郵便局でビニール傘「ポキッと折れるんです」の販売を始めた。「なぜ郵便局が傘?」とか、「どういう傘だろう?」という疑問もわいたが、担当者に開発や販売の経緯を聞くと、予想以上に環境に配慮した技術が使われていることが判明した。
販売希望相次ぐ
ちょっと“ゆるい”名前の「ポキッと折れるんです」は、6月12日から45都道府県約4500の郵便局で1080円で販売中だ。昨年12月から今年3月にかけて、日本郵便南関東支社の東京、神奈川の164郵便局で試験販売したところ、降雨や降雪が少なかったにもかかわらず2000本が完売。「なぜうちの郵便局では販売できないのか」など、販売を希望する郵便局が相次いだという。
ポキッと折れるんですは、化粧品やせっけんなどを主に通信販売で取り扱う「長寿乃里」(横浜市西区)が中国の工場で製造している。最大の特徴は、グラスファイバー製の傘の骨にヒンジ(ちょうつがい)が備え付けられており、内側からの風圧に対して、ヒンジの部分が「ポキッと折れて」風圧に耐えるところだ。ポキッと折れたあとは折りたためば元通りになる。風速15メートル以上の風にあおられるとヒンジが折れて、風圧に耐えるという。この構造は2015年10月に特許を取得している。