一般的には100万本でヒットとされるが、スクウェア・エニックスは「400万本は売りたい」(三宅有執行役員)と言う。ドラクエ本編では3以降、続けて達成している水準で、これを大きく上回るというのが業界の見立てだ。
PS4を販売するソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の盛田厚取締役は「幅広い世代に人気で、親子が一緒に楽しめるゲーム。『ドラクエをやるために買う』と、ゲーム機の普及にもつながると期待している」と話す。
分かりやすさ強調
30年間続くドラクエ開発の基本姿勢について、堀井氏は「説明書を読まなくても遊べる『分かりやすさ』にこだわってきた」と強調する。2006年に発売され、ヒットした任天堂のゲーム機「Wii(ウィー)」や、07年に登場した米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」は、分かりやすさや説明書のいらない優れた操作性が特徴だった。
「こうげき」「じゅもん」「どうぐ」など主人公の行動を決める選択肢は「11」でもひらがな表記を続ける。現在のゲーム機の性能では漢字表記は容易だが、「直感的に分かるように」(堀井氏)というこだわりからだ。(高橋寛次)