三菱自動車が昨年12月に開いた臨時株主総会で、三菱UFJ信託銀行が三菱自動車の益子修社長ら5人の取締役選任に反対していたことが同銀行の開示資料で分かった。三菱グループのつながりよりも、資金の出し手の利益を優先する姿勢が明確になった形だ。
三菱UFJ信託銀行が5月31日、投資先企業の株主総会での個別議案に対する議決権の行使状況を公表した。開示資料によると、益子社長に加え、三菱重工業の宮永俊一社長、三菱商事の小林健会長らを三菱自動車の取締役に選任する議案。社外取締役は独立性が求められるが、同じ三菱グループから社外取締役に登用される宮永氏と小林氏は独立性に疑いがあると判断したとみられる。
開示したのは、昨年7月から今年4月までに開かれた株主総会の状況。約450社が対象で議案数は約1500だった。当初は今年8月に開示する予定だったのを前倒しした。