15年度にビッグサイトで開かれた展示会は302件で、約1600万人が来場。年間延べ9万社が出展するが、その9割以上は中小企業だ。
施設面積の約7割を占める東展示棟は改修工事を行う期間を含めると、19年4月~20年11月は使えない。もう一つの西展示棟も20年5~9月は利用できなくなる。大規模展示場の幕張メッセ(千葉市美浜区)も競技会場として使われるため半年程度利用できない。
東京都は「仮設で対応するよう準備している」(小池百合子知事)という。約1.5キロ離れた場所に仮設展示場を設ける。だが、警備上の理由から五輪を挟む20年7~9月は使用を認めない方針だ。
展示会の主催団体約300社からなる日本展示会協会の試算によると、20年3~9月に限っても3万8000社が出展できなくなり、約1兆2000億円の売り上げが消えるという。さらに装飾や警備、電気工事といった関連業界にも影響が及ぶのは必至だ。
同協会の石積忠夫会長は「五輪には反対していない。ただメディアセンターは他に移し、いままでと同じように展示会ができるようにしてほしい」と訴える。同協会には会場の見直しを求める14万件超の署名が集まり、小池知事に解決を求めているが、中小企業が納得のいく解決策はまだ見いだせていない。