【eco最前線を聞く】「間伐材マーク」の認知度高め温暖化防止 (1/3ページ)

2017.5.1 05:00

「間伐材マーク」と認定製品を前にする全国森林組合連合会の山田圭介・系統事業部販売課長
「間伐材マーク」と認定製品を前にする全国森林組合連合会の山田圭介・系統事業部販売課長【拡大】

 □全国森林組合連合会 系統事業部販売課長・山田圭介氏

 森林組合の全国組織、全国森林組合連合会(東京都千代田区)は、森林整備に欠かせない「間伐」の普及・啓発とそこで生じる間伐材の利用拡大に向けて「間伐材マーク」の認定制度を設け、その普及活動を進めている。日本は国土の66%が森林で覆われ、その41%を占める人工林の整備は国土保全上、さらに水源涵養(かんよう)機能、地球温暖化防止、地域産業発展の観点から重要性が高い。しかし、日当たりを遮る樹木を間引きし森林を健全な成長に導く間伐作業は、林業の衰退から十分に進んでいない。間伐材マーク事務局長を務める系統事業部の山田圭介販売課長は、マークの認知度を高め、「日本を豊かにする取り組みにしたい」と語る。

 ◆製品使用で環境に貢献

 --マーク創設までの経緯は

 「背景には林業の衰退がある。戦後は人工林が拡大する一方、1964年に木材輸入が全面自由化されると安価な輸入材が急激に増え、国産材価格が80年をピークに下がり続けた。その結果、林業経営は苦境に陥り、戦後の造林拡大で適齢期に入った人工林の間伐作業が積み残るケースが急増した。この状態を放置していては『育て、切り、使い、植える』という循環が崩れてしまい、間伐の促進と間伐材の有効利用が急務と考えた。そこで間伐の重要性を広く訴える認証制度を2001年に創設し、活動を開始した」

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