2017.4.16 13:10
塚田農場の弁当「星空の黒牛贅沢牛めし御膳」(税込1500円)【拡大】
製薬会社の営業マンをターゲットにして成長
弁当事業がスタートしたのは2014年7月。当初はMR(Medical Representative)と呼ばれる製薬会社の営業マンをターゲットとし、市場を切り開いた。
製薬会社では医師たちに向けた製品説明会や講演会の際にお弁当を利用することがある。その際の弁当はコンビニ弁当や駅弁と違って高級品であり、2000円程度の価格帯が好まれるという。
通常、MR向け弁当の業者は、専門の販売サイトを通じて注文を受ける。販売サイトが高額な仲介手数料を取るため、弁当業者が利益を得るために中身に見合わない高値の弁当が出回っていたそうだ。そこで同社は、直接MRに買ってもらおうと営業をかけた。仲介手数料を払わないで済む分、お金を食材の原価と調理などの人件費に掛けられ、同じ値段で競合他社よりも圧倒的においしい弁当がつくれると考えたのだ。
思惑通りに弁当は順調に売れた。エー・ピーカンパニーは弁当事業に本腰を入れるため、子会社の塚田農場プラスを翌15年7月に設立。また、江東区新木場にある弁当の専門工場を購入した。
MR向けの弁当で主力商品に選んだのは、地鶏ではなく牛肉。事前に行ったリサーチの結果、多くの医師が牛肉を好んでいることが判明していたからだ。牛肉は北海道の標茶町(しべちゃちょう)「星空の黒牛」、佐呂間町「サロマ黒牛」を使用。北海道の黒牛は上質なサシが入る黒毛和種と、しっかりとした赤身の風味を持つホルスタイン種のハーフで、両種の良さを兼ね備えた奥行きの深い味わいが特徴だ。