宅配便最大手のヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングス(HD)は23日、社員を対象にした残業代の未払いに関する調査の一部をやり直していることを明らかにした。集配拠点の責任者が「残業代の未払いがない」と報告する例があり、調査が不十分だった可能性があるためだ。
調査はヤマト運輸で荷物を宅配するドライバーら約7万人の社員を対象に年明けから実施している。タイムカードの出退勤記録や宅配伝票を読み取る業務端末の作動記録を基に2年間さかのぼって調べている。
調査の中で一部の集配拠点では残業代の未払いがなかったとする報告が見つかった。このためヤマトHDは、ドライバー本人への確認を含め調査が十分に行われなかった可能性があるとして、拠点の責任者にやり直しを指示したという。
インターネット通販の拡大でヤマト運輸では宅配便の取扱個数が急増し、人手不足によってドライバーらの長時間労働が常態化。時間帯指定サービスの一部廃止など労働環境の改善策を既に発表している。