ヤマト運輸の労働組合が2017年春闘の労使交渉で宅配便の荷受量の抑制を求めたことが23日、分かった。インターネット通販の普及で宅配個数が増加し、人手不足で長時間労働が慢性化しているため。今後労使でドライバーの負担軽減に向けて協議を進める。
ヤマト運輸の16年3月期の宅配便取り扱い個数は17億3000万個と過去最高で、17年3月期はこれを上回るペースで増加。労組は18年3月期の宅配個数が、17年3月期を上回らない水準に抑えることを求めていく。
会社側が労組の要求に応じれば、ライバルとの値下げ競争が激しいネット通販などの大口顧客に対し、値上げなどを求めることが考えられる。折り合えなければ荷受けが停止される可能性もある。夜間に時間帯を指定して届けるサービスも、ドライバーの負担が重いことから見直し対象となることもあり得る。
ヤマト労組はこのほか、終業から次の始業までに一定の休息を入れる「勤務間インターバル」の制度導入も求める。賃上げについては、定期昇給相当分とベースアップの合計で前年と同じ組合員平均1万1000円を要求する。