アディダス、女性向けおしゃれウエアを強化 スポーツ用品市場でレディース商品広がる

機能性とファッション性を両立させたウエアを着た坂口佳穂さん(中央)ら=東京都渋谷区
機能性とファッション性を両立させたウエアを着た坂口佳穂さん(中央)ら=東京都渋谷区【拡大】

 アディダスジャパンは、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、女性向け商品の品ぞろえを強化し、販売攻勢をかける。若年層の消費者を掘り起こすことを狙い、10代後半~20代の女性から支持されているファッションブランド「マウジー」を展開するバロックジャパンリミテッドとスポーツウエアを共同開発。両社の直営店とオンラインショップで発売した。今後さまざまなアパレルブランドとの共同開発を進め、20年までに国内での女性向け商品の売り上げを10%以上伸ばしたい考えだ。

 発売したのはスエットやパンツ、パーカーのほかワンピースなど。速乾性や保湿性に優れ、大量に汗をかいた後でも脱ぎやすい機能性や普段着としても使えるファッション性も備える。

 先週8日、新商品の発表イベントに登場した、アディダスジャパン契約アスリートでビーチバレーの坂口佳穂さんは、胸元のビッグロゴが印象的な「ビッグロゴクルーネックスウェット」と、高機能素材を使った「イージーワイドジャージパンツ」を身に着けて登場。「生地が気持ちよくて肌触りがいい。おしゃれでかわいいので、スポーツをしない人にもおすすめ」と語った。

 ここ数年女性の健康志向が高まり、ランニングやヨガなどの愛好者が増えていることから、女性向けスポーツ用品市場は拡大傾向にある。アディダスジャパンのトーマス・セイラー副社長は「(当社でも)女性向け商品の売上比率が上昇し、女性の間でアディダスのブランド価値も上がっている」と強調した。

 女性向けの販売促進策も好調だ。昨年2月から女性限定無料で始めたスポーツイベント「ミーキャンプ」では、体幹トレーニング、フィットネスなどに毎回定員を上回る申し込み者が訪れ、これまでに1600人以上が参加した。

 一方、女性向け商品に特化した店舗「アディダスウィメンストア」を同年3月に福岡に、4月に東京にそれぞれ出店した。店舗内にスポーツブラ専門コンシェルジュを配置するなど、きめ細かい接客で女性客の増員を図っている。