クボタは25日、開発中の自動運転が可能な農業用トラクターを、京都府久御山町の農場で報道陣に公開した。人が乗らない状態でも自動でハンドル操作し畑を耕す。障害物を自動検知して停止する安全機能も搭載した。6月からの試験販売を経て、2018年に本格的な市場投入を目指す。
農業人口の減少や高齢化を踏まえ、クボタは農作業の効率化や省力化につながる自動運転農機の開発を急いでいる。トラクターに加え、今後は田植え機やコンバインなどでも同様の機能を備えた製品を展開する考えだ。
この日公開したトラクターは、衛星利用測位システム(GPS)を利用し、位置情報を常に把握しながら走行する。車体各所に取り付けたカメラやセンサーで周囲の状況を検知。リモコンによる遠隔操縦もできる。
自動運転技術の向上に向け、将来的に人工知能(AI)の導入も検討する。クボタの飯田聡研究開発本部長は記者団の取材に応じ「(自動運転農機が)製品化されれば、農業の一層の効率化につながる」と期待感を込めた。