何より、売れる事業を売って危機をしのいできたことで、東芝は半導体以外に将来の成長を期待できる事業を見いだしにくいのが実情だ。仮に半導体の主導権を外資などに奪われれば、東芝解体も現実味を帯びる。火力発電や鉄道などの社会インフラ事業などでも、今後の柱に成長し得るような戦略を早期に策定しない限り、再建は難しそうだ。早稲田大大学院の長内厚教授は「むしろ原発事業を切り離し、他の事業を育てるのにお金を使うべきだ」と指摘する。
一方、主力行幹部も「原発事業は不確実性が非常に高く、東芝がどういう形で関与するかが重要だ」と、今後の動向を注視する考えを示した。(万福博之)