全国銀行協会の国部毅会長(三井住友銀行頭取)は15日の記者会見で、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領による首脳会談に関連し「両国の経済力や地理的な近さを考慮すれば、貿易、投資といった面で十分なポテンシャルが生かされているとは言い難い」と述べ、関係拡大に期待感を示した。
国部氏は、欧米によるロシアへの経済制裁などを背景に、日露間の貿易が低迷している点を指摘。日露関係の深化は「アジア太平洋地域でビジネスを展開する観点から重要だ」と語った。
邦銀にはロシア企業への新規融資について、欧米が経済制裁を実施していることなどから慎重な意見もあった。国部氏は「さらなる経済協力の推進に向けては官民一体となって取り組む必要がある」と述べ、取引によって銀行が制裁を受けないか確認してもらうなど、日本政府に環境整備を求めた。
また銀行各社がカードローンの貸し出しを急増させていることに関し「銀行の姿勢に指摘を受けるケースも出ている。各社が適切な業務運営をしているか自ら点検する必要がある」との認識を示した。