有人宇宙機開発会社のPDエアロスペース(名古屋市)と旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)、ANAホールディングスの3社は1日、民間主導による宇宙機開発で合意、宇宙旅行をはじめ宇宙輸送の事業化に向けて資本提携したと発表した。PDエアロスペースにHISが3000万円、10.3%を、ANAが2040万円、7%をそれぞれ出資する。
2007年に設立されたPDエアロスペースは、低コストで利便性が高い宇宙輸送インフラの構築に向けて事業を展開しており、世界初となるジェットエンジンとロケットエンジンを切り替えることができる次世代エンジンと完全再使用型弾道宇宙往還機を開発している。
完全再使用型弾道宇宙往還機とは、航空機のように全てのシステムを繰り返し使うもので、離陸あるいは発射後に放物線を描くように宇宙空間へ到達した後に、自由落下して地球に帰還・着陸できる。一方、スペースシャトルは燃料タンクを使い捨てるため、部分再使用型宇宙往還機と呼ばれる。
ANAは旅客機運航の知見を活かして宇宙機のオペレーションをサポートし、HISは宇宙旅行や宇宙輸送サービスの販売を担う。2023年12月の商業運航開始を目指している。
PDエアロスペースは「宇宙という未知で広大な領域が多くの人にとって、より身近な存在になるよう事業展開していきたい」としている。