生保12社の9月中間、円高で11社減益 利息、配当金収入が目減り

生保12社の9月中間決算
生保12社の9月中間決算【拡大】

 主要生命保険12社の2016年9月中間連結決算が24日出そろい、売上高に相当する保険料等収入は10社が減収となった。金利低下のあおりで一部商品の販売を抑制したことが響いた。本業のもうけに当たる基礎利益は円高が重しとなり、11社が減益だった。米大統領選後は相場が一転し、金利上昇、円安傾向が続く。各社は当面、市場環境に振り回されそうだ。

 主な減収要因は、貯蓄性の高い一時払い終身保険の販売休止だ。日銀のマイナス金利政策の影響で、超長期金利が大幅に低下したことが響いた。日本生命保険は9.7%の減収だった。同社の児島一裕常務執行役員は「商品販売、運用の両面で低金利の影響を受けた。総じて厳しい内容だ」と総括した。

 住友生命保険は平準払いの個人年金保険、アクサ生命保険は変額終身保険の売れ行きが好調だったため増収を確保した。

 各社は日本国債の運用が難しくなった分、外国債券への投資を手厚くしてきたが、そこを夏場の円高進行が直撃した。利息や配当金収入が目減りし、ソニー生命保険を除く11社が減益となった。

 足元の「トランプ相場」は金利上昇、円安、株高を演出しており、生保各社に追い風だ。それでも「この傾向が続くかは不透明だ」(住友生命の古河久人執行役常務)、「当面は現状程度の国債利回りで推移するのではないか」(明治安田生命保険の荒谷雅夫常務執行役)と、各社とも慎重な姿勢を崩せないでいる。