自動運転の事故、無過失でも補償　東京海上が新特約

　東京海上日動火災保険は８日、自動運転のシステム不具合などによる被害を補償する自動車保険の特約の提供を来年４月から始めると正式に発表した。現在の保険では対象外の、運転者に過失がない事故も補償する。新規契約や契約更新の際に全ての契約者に無料で付ける。

　現行では無過失の事故の場合、保険では補償されず、被害者が自動車メーカーなどに損害賠償を請求する必要がある。日本国内ではこれまでこうした事例はないが、自動運転の普及が進む中で、運転者が無過失の事故が起きることも想定して開発した。

　自動運転は、発進や加速、操縦、停止などいずれか一つをシステムで担うものを「レベル１」、複数を行う「レベル２」と分けられ、すでに搭載車が市販されている。緊急時にのみ運転者が運転する「レベル３」は市場投入も間近とされ、東京海上の特約ではレベル３まで対応する。