三菱航空機(愛知県豊山町)が開発を進めている国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の試験1号機が9日、国内で飛行試験を再開した。1号機が飛ぶのは、8月下旬に米国への飛行で引き返してから初めて。今回の試験では、引き返す原因となった空調システムの不具合は見られなかった。次の米国への飛行は9月下旬以降になる見通し。
1号機は9日午後0時15分ごろ、愛知県営名古屋空港を12日ぶりに離陸。太平洋側を飛行して約1時間40分後に同空港に着陸した。8月27日と28日には本格的な飛行試験を行う米国に向け飛行を試みたが、飛行中に空調の異常を検知する監視センサーが誤作動し、2日連続で引き返していた。
三菱航空機は、空調システムを製造した米メーカーと情報交換しながら、部品を取り換えるなどして不具合を改修。地上での動作確認を経て飛行試験に臨んだ。今後は飛行データを解析して不具合の原因を詳しく調べる。