ＭＲＪの米国式典を断念　今後も計画変更の恐れ

　国産初のジェット旅客機ＭＲＪ（三菱リージョナルジェット）を開発中の三菱航空機（愛知県豊山町）は１日、米ワシントン州で開催する予定だった現地施設の開所式を断念した。今後の計画に変更の恐れがある上、式典出席者の日程の再調整も難しいため、延期ではなく中止とした。

　ＭＲＪは米国で飛行試験を行うため、８月２７日と２８日に現地への飛行を試みたが、空調システムの不具合で２日続けて引き返した。原因究明などで次の離陸は９月下旬以降とし、同月９日（現地時間）の開所式に間に合わない見通しとなった。

　機体をお披露目するはずだった開所式には、ワシントン州知事のほか航空関係者らを多数招待しており、スケジュールの再調整は困難な状況だ。機体が米国に到着した後、個別に見学会を催すことにする。

　三菱航空機はＭＲＪを２０１８年半ばにＡＮＡホールディングスに初納入する計画。同社は「納期への影響はない」としている。