クボタは29日、空中から農薬を散布する農業用ドローン事業に参入すると発表した。2017年中ごろに販売を開始する。手間やコストの軽減メリットを大規模農家に売り込み、20年度には売上高20億円規模の事業に育てる。大規模農家の農薬散布は、大型機器に乗って陸上から散布したり、産業用の無人ヘリコプターを使って空中から散布したりする方法がある。クボタはドローンを200万円程度で販売する方針で、無人ヘリの1000万円規模に比べ割安で済む。ヘリよりも騒音を減らせるほか、より精密な散布も可能となる。
記者会見した飯田聡専務執行役員は「超省力で農作業するニーズが高まっている」と指摘。ドローンメーカーのプロドローン(名古屋市)と農業機器メーカーの丸山製作所(東京)と共同開発する。将来的にはインターネットを使った管理システムと連動させるほか、農薬散布以外の用途にも対応させる。
農業でのドローンの参入は増えており、ヤンマー(大阪市)もコニカミノルタなどと共同でカメラを搭載したドローンで田んぼの状況を監視するシステムを開発中だ。