訪日客の“爆買い”の恩恵を受けてきた総合免税店大手のラオックスも2016年6月中間連結決算で、売上高が前年同期比22.4%減の350億円、最終損益は46億円の黒字から4億円の赤字に転落した。
8月に入っても銀座の免税店では、団体客が訪れた時以外は客がまばら。何も買わず、手ぶらで店を出て行く訪日客も多く、昨年までの活況からは状況が一変している。
このため、三越伊勢丹HDは大型免税店の品揃えや開業時期について、再検討する必要があると判断した。
訪日外国人客の数自体は増加傾向にあることや、高島屋が17年春にも近隣の新宿高島屋に空港型免税店を展開することも踏まえ、どの程度先延ばしするかは今後詰める。
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■百貨店など各社の空港型免税店の取り組み
◆三越伊勢丹ホールディングス、日本空港ビルデングなど
・2016年1月に三越銀座店に開業。新宿での早期出店も検討
◆韓国ロッテグループ
・16年3月に銀座で1号店、5年間で国内5店の出店を予定
◆高島屋、韓国サムスングループなど
・17年春に新宿高島屋に1号店開業予定。大阪で2号店の開業を検討