日本では参院選や都知事選を終え、オリンピック後のカジノ実現に向けた話が再びメディアに踊り始めた。既にパチンコ・パチスロは依存症をキーワードにギャンブルと混同される状況にあるが、ギャンブルでない以上、公営ギャンブルと一くくりにその対策が語られることは不適切でもある。韓国のヘルプラインの例を参考に、リカバリー・サポート・ネットワークによる電話相談事業のさらなる拡充(医療機関との連携強化)など、従来の取り組みを深化させ、健全娯楽として「より安心・安全」な環境整備に取り組むことが望まれる。
◇
【プロフィル】木村和史
きむら・かずし 1970年生まれ。同志社大学経済学部卒。大手シンクタンク勤務時代に遊技業界の調査やコンサルティング、書籍編集に携わる。現在は独立し、雑誌「シークエンス」の取締役を務める傍ら、アジア情勢のレポート執筆など手掛ける。