大手銀行5グループの4-6月期決算【拡大】
5大銀行グループの2016年4~6月期連結決算が1日、出そろった。金利収入の減少などから、最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループをはじめ4グループで、本業のもうけを示す実質業務純益が大幅減となり、日銀が2月にマイナス金利政策を導入した影響が鮮明となった。
マイナス金利の導入に伴い、三菱UFJでは、貸出金利から預金金利を差し引いた「利ざや」が0.92%と過去最低を更新。1~3月期に比べて預貸の利ざやが0.05%縮小した。
他の4グループの利ざやも軒並み縮小。本業の貸し出しで稼ぎにくくなっている。これが響き、実質業務純益は、三菱UFJが前年同期比20.7%減の2580億円、三井住友フィナンシャルグループが31.2%減の1648億円と悪化した。
みずほフィナンシャルグループの実質業務純益は3.9%増の1616億円となり、5グループで唯一、増益を確保した。6月末時点の国債保有残高を3月末から3分の2に圧縮するなど、債券売却益を積み上げたことが支えとなった。
利ざやの縮小を踏まえ、各グループは金利以外の分野を強化しているが、円高・株安で、投資信託や保険商品の販売も落ち込む苦しい展開となり、最終利益は5グループとも減益となった。りそなホールディングスは11.0%減の477億円、三井住友トラスト・ホールディングスは23.6%減の322億円だった。