アサヒVSサントリー、訴訟和解もノンアル激戦 増産も需要頭打ち (2/2ページ)

 ノンアルビールは飲酒運転の罰則強化などを背景としてドライバーを中心に人気となり、市場規模を拡大してきた。業界の推計によると、2015年の市場規模は1738万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と、09年に比べ3倍超に拡大した。

 メーカーにとって、酒税がかからないノンアルビールは利益率が高い。発泡酒などを含む「ビール類」の市場縮小が続くなか、ノンアルビールは収益源としての期待が大きく各社の開発競争が激化したことが、特許をめぐる両社の訴訟にまで発展した背景にある。

 ただ、「ビールの代替品として飲むドライバーの需要は一巡した」(大手ビール幹部)とされ、市場規模の拡大は鈍化。ここ数年は1桁成長が続き、15年の需要の伸び率は5.8%にとどまった。16年も伸び率は縮小するとみられるだけに、販売競争は厳しさを増しそうだ。