横浜市のマンション傾斜問題で、施工主の三井住友建設、事業主の親会社、三井不動産が29日開いた株主総会では、株主らが今後の対応や費用負担をただした。
三井住友建設の総会の出席者によると、経営者側は住民の意向を確認中として詳しい説明をしなかったという。
三井住友建設の総会は昨年10月の問題発覚から初めて。都内の本店会議室で非公開で開催された。初めて出席するという東京都練馬区の株主の男性(69)は「今後の費用負担はどうなるのか。住民が納得するよう誠実に対応してほしい」と険しい表情。
株を保有して7、8年という千葉県柏市の男性(78)は「住民の要望にどこまで応えられるのか。今回の問題を機に、良い企業になってほしい」と話した。
同社は2016年3月期連結決算に特別損失としてマンション補修費用を含む約22億円を計上したが、建て替え費用は入っていない。
また、三井不動産の株主総会も都内で開かれた。開会に先立ち、東京都内に住む男性株主は「マンション傾斜問題は会社の信頼にかかわる話。詳しい説明が聞きたくて株主総会への出席を決めた」と話した。千葉県から来た60代の女性株主は「住宅は一生に一度の大きな買い物。経営陣の責任は重いと思う」と語った。事業主は三井不動産の子会社、三井不動産レジデンシャル。