ソニーの平井一夫社長は29日の経営方針説明会で、人工知能(AI)を活用したロボットの開発に着手したことを明らかにした。同社は2006年に犬型ロボット「AIBO(アイボ)」の生産を終了したが、AI技術による高性能ロボットの実用化を目指し再参入する。また、ゲーム機用に開発した仮想現実(VR)技術を産業分野にも活用していく考え。AI、ロボット、VRという最先端分野の拡充で本格復活を目指す。
市場拡大の可能性
同社は米AIベンチャー「コジタイ」に資本参加して共同開発を進めているが、これとは別にAIやロボットなどのベンチャー企業に総額100億円規模を出資する「ソニーイノベーションファンド」を7月に設立すると発表した。
平井社長はAI活用ロボットについて「育てる喜び、愛情の対象になり得るようなロボット」と述べた。ソフトバンクが、同様のコンセプトのヒト型ロボット「ペッパー」ですでに一定の需要を開拓している。ソニーが追随することで一気に市場が広がる可能性もある。