ドイツの産業用ロボット大手クーカは29日までに、中国家電大手の美的集団による買収提案を受け入れる方針を明らかにした。ドイツでは、技術流出を危惧する立場から中国企業による買収に政治家などから反対意見が出ていたが、買収が前進する可能性が出てきた。美的の傘下に入ることで、中国市場の開拓を加速させる構えだ。
クーカによると、両社はドイツでの雇用や拠点の維持を盛り込んだ協定に調印した。協定の期間は2023年までで、現在の経営戦略の維持なども含まれるという。
既に資本関係にある美的は、今月中旬から株式公開買い付け(TOB)を始めている。クーカは、美的が提案した株の買い取り価格について妥当だとの見解を示した。美的は、持ち株比率を30%超まで引き上げる計画。中国メディアによると、実現すればクーカの筆頭株主となる。(共同)