残留か離脱か-。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を巡る国民投票の開票作業が始まった24日、大手銀行のディーリングルームでは早朝から開票速報を伝える大声が飛び交った。離脱優勢の報で円相場が一時、1ドル=100円を突破すると、室内は一気に緊迫した雰囲気に包まれた。
東京・丸の内の三菱UFJ信託銀行本店。「一部の地区で離脱が多数!」。20階にあるディーリングルームでは、男性社員がニュースを見ながら次々と開票速報を伝えていく。顧客などから電話が相次いで入り、為替ディーラーは慌ただしく同僚と打ち合わせをするなど対応に追われた。
午前11時40分ごろ、為替相場が変調を示すと、ディーラーの視線は為替レートを示す大型モニターにくぎ付けに。わずかな間に1ドル=102円、101円と円高が進み、あっけなく100円の大台を突破すると「99円」との叫び声が飛んだ。