2016.6.7 05:00
◆変化望まぬ市場
--国内の既存ソフトがそれらの機能を追加しなかったのはなぜでしょう
「伝統的に、国内の会計ソフトが簿記や会計の知識が十分ある人を想定して作られてきたからだと思います。業務のやり方がある程度決まってしまうと、それを変えたくない人は多いです。インターフェースを少し変更しただけでも、たくさん苦情が寄せられるというのが現実ですから、変化が生まれてこなかった。僕たちが革新的だと思っていても、実際にフリーのリリース前には会計業務の問題はもう解決されていて、これ以上大きな変化は必要ないという否定的な意見が多かったんです」
--ディスラプトにはうってつけの状況ですね
「はい。簡単ではありませんでしたけれど。やり方を変えれば作業を何十倍も効率化できると説明しても、やり方は変えずに速くさえなればいいと言う。そこで、これまでに会計ソフトを使う余裕がなかったスモールビジネスに価値を届けることを重点に置きました。会計知識がない人たちは、僕たちのシンプルなインターフェースを分かりやすいと評価してくれました」
--具体的な顧客ターゲットは
「個人事業主、フリーランサー、そして従業員10人以下程度のスモールビジネスを中心にしています。ソフトには無料プランがありますが、取引データの保持期間が1か月に限定されています。有料プランを利用すればデータは無期限に保持されて、いつでも表示・編集できます」