JXホールディングスや出光興産といった石油元売り大手が、ガソリンや軽油の輸出を増やしている。2015年のガソリンと軽油の輸出量は前年比2割増の1304万キロリットルと5年ぶりの高水準になった。国内はエコカーの普及や少子高齢化で、石油製品の販売量は減り続けている。需要の伸びが期待できるアジアに出荷して、製油所の供給過剰を和らげ、利益を増やす。
JXの15年の石油製品輸出量は前年比3割増の704万キロリットルとなった。16年4月には国内最大の精製能力を誇る水島製油所(岡山県)からも、ガソリンの輸出を開始した。
出光は16年1~3月のガソリン輸出量が40万キロリットルと前年同期の2倍となった。主な輸出先は中国やシンガポールだ。担当者は「原油安で需要が拡大している」と説明する。
東燃ゼネラル石油も1~3月の輸出が好調だ。輸出先の一つであるオーストラリアでは、現地企業と合弁で石油製品の輸入基地を建設する計画もある。石油連盟の木村康会長(JXホールディングス会長)は「輸出を増やすのは自然の流れだ」と話している。