第一三共ヘルスケア(東京)の「ミノン アミノモイスト ぷるぷるしっとり肌マスク」は、保湿成分を配合したシートマスクで顔を覆うスキンケア用品だ。2012年に主に乾燥肌や敏感肌の人向けに発売された。15年度は前年度の約3倍の約200万個を売り上げるほどの人気だ。
開発当時、「韓国コスメ」が流行し、1枚100円程度のシートマスクが売れていた。開発担当の鹿島結さんは「私がアトピーだったこともあり、付けるとヒリヒリするなど、肌に合わないマスクが多かった」ため、乾燥肌や敏感肌の人も安心して使える商品を考えた。肌を刺激しないように、アルコール無添加で無香料・無着色に。肌への密着感は高いが、天然の綿よりも繊維刺激が少ない特殊な不織布を採用した。保湿成分が配合されたマスクにあらかじめ染み込ませる美容液は、ジェル状に。使用中に途中で乾いて剥がれ、顎の部分などがかゆくならないようにした。
マスク全体に美容液が染み込むようにする一方で、付けたまま家事や仕事ができるよう、美容液が垂れることを防ぐのに苦労した。「ジェルのかたさやマスクの布の厚さなどを変えて数十種以上も試作品をつくった」
15年2月のリニューアルでは、肌のきめやはり、つやといった美肌対策をサポートする成分などを強化。顧客からは「これならヒリヒリせずに使える」「使い心地が良い」といった声が寄せられるという。
「マスクだけでなく、アミノモイストブランド全体の知名度を上げたい」と意気込む。