【インターネットWatch】実証実験で図書のドローン自動配送に成功 (1/2ページ)

2016.4.18 05:00

学校図書を輸送する実証実験で、校庭に降り立つ小型無人機=11日午後、秋田県仙北市の西明寺中

学校図書を輸送する実証実験で、校庭に降り立つ小型無人機=11日午後、秋田県仙北市の西明寺中【拡大】

  • ドローンに図書館の本を積み込んだところ

 ■情報漏洩や乗っ取り防ぐ

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と株式会社プロドローンは11日、ドローンによる学校間図書配送の自動航行実証実験に成功した。セキュア通信技術を組み込んだドローンや地上局、図書室端末などで構築した「図書配送システム」の通信をすべて暗号化することで、情報漏洩(ろうえい)やドローンの乗っ取りを防いでいるのが特徴。

 実験は、国家戦略特別区域(地方創生・近未来特区)である秋田県仙北市で行われた。市内の西明寺中学校から図書配送システム経由で西明寺小学校へ図書配送リクエストを送信。これを受信した西明寺小学校では、約1キログラムの図書をドローンへ積載し、ドローン制御地上局に対して配送先の情報を送信した。その後、西明寺中学校までの約1.2キロメートルのルートをドローンが高度約50メートルで自動航行した。

 NICTなどによれば、ドローンと地上局との遠隔制御に使われる無線通信は傍受や干渉、妨害の影響を受けやすく、また、現状では標準的な暗号化すら行われていないケースが多いため、ドローンの制御通信における情報セキュリティー対策が不十分としている。

 今回の実験では、ドローンの離着陸時における地上局との制御通信について、2.4ギガヘルツの電波信号をパケットごとに異なる真正乱数を用いて暗号化する「ワンタイムパッド暗号」を適用した。真性乱数と制御信号パケットの単なる足し算で暗号化を行う仕組みのため、複雑な関数や膨大な計算が不要となり、処理遅延のないセキュア制御通信を小型・安価なデバイスで実現できるのだという。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。