台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘会長は5日、買収するシャープの経営陣に関し「台湾人を送り込むのは最低限に抑え、会社を知る日本人に経営してほしい」と述べ、経営トップは日本人を起用する考えを示唆した。関西空港で記者団に語った。
鴻海は4月末までにシャープ取締役のうち、最大3分の2の候補者を指名する。郭会長は「全ての経営資源をかき集めてシャープの再建を支援したい」と話した。
一方、シャープは5日、鴻海と共同運営する「堺ディスプレイプロダクト」(SDP、堺市)のトップ2人を、シャープ本体の副社長など幹部に充てる人事を発表した。スピードとコスト重視の「鴻海流」を理解した人物を要職に据える。SDPの野村勝明会長(59)がシャープ副社長執行役員を兼務。経理・財務本部を担当し、経営全般に関与する。SDPの桶谷大亥社長(56)は、主力の液晶を扱うディスプレー部門のトップに就く。両氏はシャープ出身。6日付。